桜花図鑑(1) 普賢象
今年、見たいと思った桜があった。その桜とは、「二尊院普賢象」。普賢象とはまったく別の系統の桜で、嵯峨の二尊院で古くから栽培されていた、珍しい桜だということだ。先日の休みに二尊院まで出かけてみたが、遅咲きのこの桜はまだ咲いておらず、本数もそうあるわけではないのだろう。どれがその木とは見分けられなかった。
調べるうちに、千本ゑんま堂にもこの木が1本あるとの情報を得て、ならば、と、今日は遅番だったので、出勤前に千本ゑんま堂へ行く。千本ゑんま堂、正しくは「引接寺(いんじょうじ)と言う。小さいが、夏のおしょらいさんを迎えるお寺としても、ゑんま堂狂言でも有名なお寺である。
迫力の閻魔大王。これはすごい。しっかり拝んだあと、すぐ近くまで行ってまじまじと見ていると、住職がやってきて法要が始まるようだった。集まっていた人たちは主にご近所の信者さんらしかった。ちなみにここは真言宗。
閻魔大王の本地は地蔵菩薩であることを、張ってあった本地仏の表を見て思い出した。「本地」とかのことばがわかんない人は、「神仏習合」とか「本地垂迹説」といったキーワードで調べてみてね![]()
普賢象
造幣局の、今年の桜にも選ばれた桜。突然変異種らしく、種ができない、花はあっても実のない桜。花は散るのではなくて、そのままの形で落ちるのだとか。
今日初めて知ったことであるが、ここ、千本ゑんま堂は「普賢象」の発祥の地だということだ。ここの普賢象を「ゑんまどうふげん」と呼び、室町時代からあると言う。
ではなぜ、この桜を普賢象と呼ぶのか?
普賢菩薩の図像を見れば、この菩薩は必ず白い象に乗っている。「普賢象」とはこの象のこと。神仏と動物の決まった組み合わせというのはよくあって、他には、文殊菩薩と獅子、孔雀明王と孔雀などというのがある。
重なった花弁の中心から長く伸びる、葉化した雌しべが、象の鼻や牙に似ていることからこの名がついた。非常に古い品種で、室町時代からこの名で呼ばれていたのだそう。
二尊院普賢象
中心部のピンクの色が濃い、菊咲きの桜。まだもうちょっと開き切っていない感じ。確かに、普賢象とは雰囲気の違う桜だ。珍しい桜だそうで、ここと、二尊院と、大阪の造幣局にもあるらしい。
風かよふ寝覚めの袖の花の香にかをるまくらの春の夜の夢。
八重はそろそろ花の盛りですね。
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