誕生日の夕べは、友人がお祝いの夕食に招待してくれた。お店の名前も、ジャンルも、行ってみるまではわからない、どきどきわくわくのサプライズ。
待ち合わせは地下鉄丸太町駅。最寄にたくさんお店がありすぎてわからない(笑)。さて・・・。友人について行くと何やら割烹のようなお店。
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しかしここは、割烹ではなく、Restaurant 青いけ。フランス料理のお店だ。
店構えから内装、お手洗いに至るまで洗練された空間だ。後にご主人にうかがったところによると、奥様のお父様が、数奇屋建築の第一人者で、こちらのお店も手がけていただいたとか。
居心地がよさそうなカウンターに案内される。
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位置皿などはモダンな感じ。カトラリーのほかに、お箸も添えられている。
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食前酒は華やかに、キール・アンペリアル。
美しい色あい。
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アミューズ。
坊ちゃんかぼちゃのムースとコンソメ・ジュレ。
しっかりしたムースは、「泡」と言うよりも、こっくりしたかぼちゃあんみたい(笑)。かぼちゃの甘味とうまみがぎゅうっと詰まっている。坊ちゃんかぼちゃは、こぶし大の大きさのものしか使わないそう。
最初は必ず野菜のムースでコースを始められるのだとか。一品目で確信。続くお料理も必ずおいしいだろう。高まる期待。
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パンと、パンにつけるためのオリーブオイル、塩、スパイス。スパイスはクミンやらコリアンダーやらごまがミックスされていた。
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野菜のテリーヌ
目がさめるような美しい色に思わず声が出る。京野菜だけではなく、全国の野菜を吟味し、お料理のコースには常時30~50種類の野菜を使っておられるそうだ。
この美しい一皿も、テリーヌの中だけで13種類の野菜が使われているそうだ。柔らかいもの、しゃきっとした食感を残したもの、それぞれに食感と味わいが違う。たとえば、にんじんは千切りにしたものが束になっていてしゃきしゃきした歯ざわりになっている。
にんじん、キャベツ、みょうが、ベビーコーン、トマト、いんげん、グリーントマト・・・。そうめんかぼちゃ??添えられているのはビーツのピュレなど。
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次はシンプルな盛り付け。
豚肉のミンチに、豚足、トリュフを混ぜて、パイ包み焼きにした温かい前菜。ソースはこがした砂糖に赤ワインビネガーを合わせた作った、甘酸っぱいソース。豚肉のおいしさが詰まっている。
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ワインはリストを見て悩んだ末、やっぱりアルザスに落ち着く。
ガングランジェのピノ・ブラン。
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とうもろこしの冷製スープ
とうもろこし甘い~。香りもすばらしい。品種はゴールドラッシュ。
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帆立貝柱、いか、海老、ホワイトアスパラガス、伏見とうがらしの網焼き エシャロットのソース
こちらもシンプルに、素材の味を引き立たせた料理。あっさりと、軽やか。
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五島列島のすじあらのロースト 焼き茄子 オマールのソースとハーブ(?)のソース
甲殻類のおいしさあふれるソース・アメリケーヌとブールブランが合わさっておいしさ倍増(笑)。
すじあらは身が本当にしっとりしているのに、皮はパリっと香ばしくて、思わず、どうやって焼かはるんですか?と聞いてしまった。身の方にはフライパンをあてないのだそう。
次は肉料理、ということで、グラスの赤ワインをいただく。メルローとマルベックの、色も味わいも濃いタイプの赤ワインだった。
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京都肉のラム芯のロースト トリュフ添え
付け合せにはたくさんの野菜。赤身の柔らかいお肉。とてもおいしい。最近のわたしは、肉運がよい(笑)??
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いよいよデザート。今から機械を回しますので音がします、とご主人。
しばらく後にできてきたのは、いちじくのソルベ、冬瓜のコンポート、グレープフルーツのジュがけ。
ソルベはいちじくそのもの。その下にはグレナディンで色をつけた、丸くくりぬいたかわいらしい冬瓜のコンポート。冬瓜独特の風味はしっかり残っている。
予約のときにはお店に伝えていなかったそうだが、お話の流れでわたしの誕生日であることが伝わる。
すると・・・。一瞬電気が消され驚くも、
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ろうそくを立てられたデザートのお皿がしずしずと運ばれてきた。皆さんでハッピーバースデーを歌ってくださる。ろうそくをふ~(笑)。まあ!まあ!何と晴れがましいことよ(笑)。ありがたし。
プラリネ風味のオペラ マスカルポーネのパウダー オペラの上にはムラングと小さなマドレーヌ。パウダーはひんやり。ふんわりとクリーミーに溶ける。オペラの生地もクリームもシロップもほんとにおいしい。デザートもご主人が作られているそうだ。
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お皿のふちにチョコレートで書かれたHappy Birthday。
うれしいねぇ・・・・。
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コーヒー
それぞれ違うカップで。
アミューズを食べたときに確信したとおり。どのお料理も本当においしかった。「うちの料理はやさしい料理です」とご主人はおっしゃった。
でも「やさしい料理」という表現はちょっとくせもので、悪くすればそれは単に「味がぼけた料理」であったりもするけれども、この「やさしい料理」は、純粋に良い意味がすべての、「やさしい料理」だった。またぜひうかがいたい!
すばらしいお店連れてきてくれて、お祝いしてくれた友人に深く感謝いたします。
雨がかなりきつくなっている。
タクシーで祇園まで。太田さんのお店、クープ・ド・シャンパーニュへ。
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ピエール・ペテルスのマグナムが開いていたので迷わずチョイス。マグナムはそうそう飲む機会はないので、あれば飲んでみるのがいいかも。たいていはふつうのボトルよりもおいしい。
昨日、Fさんが来たらしく、クープ、楽しいわ~とメールが来てた(笑)。
太田さんはちょうどリストランテの方から戻って(?)来られた(?)ばかり。お忙しいのである。
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シャインマスカット。今日が誕生日ジャスト!と言うと、お祝いに、と出してくださった、ビゴール豚の生ハム。この生ハムとてもおいしい。ありがとうございます!
次に飲むのは・・・?と相談して、ペウ・シモネを。さすがシャンパーニュのプロ。翻って司書たるもの、これ読んでおもしろかったけど、次何読んだらいい?みたいな質問にドンピシャリで答えられるようでなければ。
シャンパーニュの話、レストランの話、フランスの話などをたくさん。わたしも、「クープ、楽しいわ~」と思いました(笑)。ありがとうございました!
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