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jeudi 05 juin 2008

勘定

32055960  『数学で犯罪を解決する』 キース・デブリン ゲーリー・ローデン/著 山形浩生 守岡桜/訳 ダイヤモンド社 2008年

 先日この本を読んで、大変おもしろかったのだけれど、その第13章 「カジノでの犯罪 数学で胴元を負かすには」に取り上げられていたのが、カードカウンティング。カードカウンティングとは、カジノでプレイされるブラックジャックで、文字通り、カードを正確に勘定して(細工をしたりなどのイカサマとは違う)有利な局面になればここぞと大金を賭け、ディーラーとの勝負に勝って大儲けすること。ブラックジャックというと、昔々「にじゅういち」という名前のトランプゲームとしてやった覚えがあるくらいで、もうほとんど覚えていないけれど、そんなこともできるのか、と興味深く読んだ。

 この本の中で「近日公開予定の映画」(たぶんこの本が書かれた時点のアメリカで)として『21』という映画が紹介されていた。これが今、日本でも公開されている映画『ラスベガスをぶっつぶせ』で、わたしは知らなかったのだけれども、何となく映画の広告を見ていて、ああ、これは・・とはたと気付いて、見に行ってみた。

 もちろん、カードカウンティングの話で、MIT(マサチューセッツ工科大学)の優秀な学生たちが、ある教授によって秘密裏に集められ、チームを組んでラスベガスのカジノへ行き、見事な手練手管を使って大金を儲けるが・・・、という話。 51f0vbsr82l__sl500_aa240__2

映画ではフィクションも交えてお話を作ってあるのだろうけれど、元になったのは実話らしい。原作本は、『ラス・ヴェガスをブッつぶせ!』 ベン・メズリック/著 真崎義博/訳 アスペクト 2003年 で、本の方も人気が高いそうだ。わたしも近々読む予定。

 映画もなかなかおもしろかった。ただ、主人公の、MITの21歳の優秀だけど貧乏な学生ベンが、ハーバード医科大学で学ぶための学費30万ドルを手に入れるためにカードカウンティングをやり始める・・・という設定なんだけど・・、う~ん。アメリカの大学事情とかまったく知らないのだけれど、お医者さんになるんだったら、最初からハーバードに行ったらええやん、MIT卒業せんでもええやん、お金無いんやったら・・。などと思って、よく事情が飲み込めなかったりもするのだった(笑)。 

 そのベンが、映画中で、授業中の「内職」として一生懸命に勉強していたのがこの本、『Beat the Dealer』。表紙が写ったときはちょっと笑ってしまった。

 邦訳は、『ディーラーをやっつけろ!』 エドワード・O・ソープ/著 宮崎三瑛/訳 パンローリング 2006 で、アメリカで1962年に出版されたこの本が、ブラックジャックにおける戦略を示した魁で、70万部を超えるベストセラーになったと言う。 おもしろいのは、この一人の数学者が出した本を読んで、たくさんの人々が我も我もとブラックジャックのテーブルに押し寄せたということで、こういった人々は、

 「戦略の細かい部分をきちんと正しく実施できるほど覚えきれていなかったし、厳しい現実の手札に直面すると、数学的に導いた最高戦略をあっさりと放棄してしまうのだった。いい手や悪い手が続いただけで―たとえば基本的な戦略にしたがって何度か続けて負けてしまうと―そのプレーヤーはソープが慎重に計算した指示を無視するようになってしまう。」 ―『数学で犯罪を解決する』 p.286

 ・・・のだそうだ。さっそく自分もやってみようとするところがすごい。よっぽど腕に覚え、いや、頭に覚えのある人が多いと見え、その浅はかさがかなり笑える。

 ただ、今は、ルールが変わったり、新しい機械が導入されたり、上方からのカメラなどでの監視が厳しくなったりして、頭に覚えのある人もラスベガスで大儲けはできないもよう。

  残念ですか(笑)??

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Commentaires

ソープはその後、市場に矛先を変え、転換社債裁定取引の技法を編み出してまた大儲けしたそうで、"Beat the Market" と言う本も出しています。それからは、大学を辞めて、ずっとヘッジファンド会社をやっているようですね。
時々、システムに戦闘意欲をかきたてられる数学者がいるようで、最近では S.Skiena と言う人の書いた "Calculated Bets" と言う本を知りました。ケンブリッジ大学出版から出ている真面目な(?)本で、"Jai Alai" と言う聞いたこともない奇妙なスポーツの賭博で統計的に勝つ方法が詳細に議論されていました。
一種の伝統でしょうか…

Rédigé par: KSH | le jeudi 05 juin 2008 à 22:53

KSHさん,
ソープ(元)教授、なかなかやり手のようですねぇ・・。彼のファンドに預けるとお金がかなり確実に増えそうですけど、出資最低額とか、アメリカの中でも法外に高そうですねぇ・・(笑)。
"Beat the Market"は邦訳が出ていないところを見ると、日本では活用できなさそうな内容だったのでしょうか。

ゲームに勝つ方法の研究も進んでいるようですね。
伝統なんですか・・(笑)。

Rédigé par: はたこ | le vendredi 06 juin 2008 à 08:40

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