年年歳歳花相似 歳歳年年人不同
新しい職場に初出勤。定時よりかなり早く着き、返却本があふれかえって大変なことになっている返却ポストを横目に見ながら二階へと上がる。日本全国津々浦々、休館日明けの朝の返却ポストはこのような惨状を呈していることだろう。
とりあえず制服に着替える。定時まで間があって、まだ何の挨拶もしていないし、紹介もされていないが、あのポストの惨状を目の当たりにしてやるべきことは一つしかなく、係の人に「取り合えずポスト返却やりましょうか?」と聞くと「はい」と言うので、まだ名前も知らない人に混じって、しょっぱなからがんがん肉体労働。
始業時ぴったりに職員全員が招集され、役職付きを含め、「4月からの新しい人」のお披露目会が行われる。
課長が司会をし、一人づつ「新しい人」が自己紹介をしていくのだが、何名か終わった後で、課長、「ほか、もれている人?」・・・・・「はい。」わたしとTさんだ。すでに制服に着替えて働いている最中に招集され、前からいるスタッフとすっかりなじんでいたらしい。一応、「新しい人」なのだが。その後、課長に連れられ、ぞろぞろと市中引き回し各所属への挨拶回り。元締めは大きな組織なので、わたしがいる間にはきっと、ちらとも顔を見ないであろう人がほとんど。
元締めの、某カウンター。ここはわたしの仕事上の原点とも言える場所だ。20代前半のまだ若い日、ここを後にしてから幾星霜。再びこのカウンターの中に立つことになるとは・・・。
年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず。
カウンターから見る景色はあの頃とそう変わらないけれど、いっしょに働く顔ぶれはがらっと変わり、わたし自身もあの頃とは変わった(はず)。
今まで働いていた、小さな館とは違って、元締めは、利用者も、スタッフも、資料の数も、返却本も、ブックメールも、予約も、何もかもの絶対量が多い。特に今日は休館日明けの水曜日で、とにかく忙しい。わたしがここで働いていた頃よりも今の方がずっと忙しいのは明らかであるのに、「そうそう、ここはいつもこんなふうに忙しかったよ・・・」と懐かしさすら感じるほどで、特にとまどいも感じなかったのが不思議だった。
公共図書館の仕事はどこでも同じ、というのは事実だが、館によって細かなやり方や手順に違いがあるというのも事実であるので、何か一つ仕事をするのでも、そこでのやり方を尋ねて、教えてもらわないといけない。
人に教えてもらい、指示されながら仕事をするということから、もう何年も遠ざかっていたため、それがとても新鮮に感じる。カウンターの責任者は、とても丁寧に親切に説明してくれる。どちらかと言うとわたしは「迎えられる人」のしんどさよりも「迎える人」のしんどさの方を多く経験しているために、忙しい日を、より忙しくしてしまっていることに対して申し訳なく思う。
でも尋ねないわけにはいかない。たとえば、今までいたところでは、すぐに処分してしまっていた書類や用紙なども、新しいところでは保管しているかもしれない。レシート1枚、メモ書き1枚だってそうだ。だからどんな細かいことでも必ず先に逐一、尋ねた方がいい。これはどんな仕事にも当てはまることだけれど、案外できない人が多いようで、友人もよく嘆いている。「今度異動してきた人は、とにかく、訊く、ということをしない人で・・・」年を取るほど、勤務年数が長くなるほどこういう人が多くなるようだ。
元締めの某カウンターでは、日々の仕事が実にシステマティックに動く。非常に興味深い。大きいところには大きいところのシステムがあり、同じように、小さいところには小さいところのシステムがある。小さいところに大きいところのシステムをそのまま採用しようとしてもかえって無駄が出ることもあるし、大きいところに小さいところのシステムを持ってきても仕事量に追いつかない。
昔、元締めで多くのことを学んで、小さい館へ出たときに上に書いたようなことを実感したのだが、今回また、そのようなことを強く感じた。元締めのカウンターのシステムは、昔に比べて、さらに大人数・大量数向けのシステムに進化していた。
カウンターに座っていると、目聡く、「お姉ちゃん、今日からやな。どっから来たん?」とか、「お姉さん、新しい人やな?」とかいろいろとおっちゃんに声をかけられる。どうもここは「お姉さん」と職員を呼ぶ利用者が多いようだ。もといた館の常連さんにもたくさん会って、言葉を交わす。
こうしてばたばたと初日が終わる。
夕方からは友人と、ガブ飲みワイン 洋彩WARAKUでごはんを食べる。ガブ飲みワインと言うだけあって、グラスワインは5~600円。ボトルも2千円台から、と、非常にリーズナブル。
南アフリカのリースリングとボルドーの赤。田舎風パテ、エスカルゴの香草バター焼き、フレッシュの白アスパラガス、自家製白ソーセージ、牛頬肉のシチュー、タイ風フライドチキン、ゴルゴンゾーラのタリアテッレ。料理がどれもおいしかったのでびっくり。
*ガブ飲みワイン 洋彩WARAKU
中京区丸太町通西洞院東入る梅屋町171番地 カマンザビル2F
TEL 222-1256 月休


Commentaires
がぶのみワイン、良さそうですね
Rédigé par: べるの | le jeudi 03 avril 2008 à 23:45
新しい職場・・・・人間関係が一番難しいのでしょうね!
気楽に・・・気長にですよ!
春至時和 花尚鋪 一段好色 鳥且囀 幾句好音 。
士君子 幸列頭角 複遇温飽 。
不思立好言行好事 雖是在世百年 恰似未生一日 。
・・・・・・・・・・・・・・「菜根譚 六一」
Rédigé par: 八重 | le vendredi 04 avril 2008 à 08:45
>友人もよく嘆いている。「今度異動してきた人は、とにかく、訊く、ということをしない人で・・・」年を取るほど、勤務年数が長くなるほどこういう人が多くなるようだ。
「そうそう!」と思った自分自身が一番ダメダメちゃんかも(笑)
がぶ飲みワイン、ほんとに良さそうですね。というか、はたこさんの料理のセレクトがとってもいいなぁ。といつも思うのです。
Rédigé par: ごうやん | le vendredi 04 avril 2008 à 09:04
訊けないというの、よく分かります。
訊かれる相手のその時の状況とか、心理とか、
相手のことを思うと、ついついためらいます。訊くけど(笑)
実は先月まで大学図書館に勤めておりました。
そして今、パン屋で働いています。
今でも図書館の仕事が恋しいですが、
踏み入れてしまった足を、とりあえずはそのまま先へ進めます。
Rédigé par: かんち | le vendredi 04 avril 2008 à 13:50
べるのさん,
はい。気軽に行けるよいお店でしたよ。
Rédigé par: はたこ | le vendredi 04 avril 2008 à 21:58
八重さん,
「菜根譚」ですか。訳を見てみなければ・・・ですね。
異動はいつも、行く人も「どんな人がいるんだろう?」、迎える人も「どんな人が来るんだろう?」、と不安なのはどちらも同じ。いい関係を作っていきたいものですね。
Rédigé par: はたこ | le vendredi 04 avril 2008 à 22:02
かんちさん,
訊きにくいところを、あえて訊かなければ、ですよね。それをしないと後で大きな禍根を残すことにもなりかねませんから、大切なことです。
まったく違うお仕事を始められたのですね。今は新しいお仕事にまい進されるのがよいのではないでしょうか。しばらくたって、図書館の仕事がやはり好き、と思われたならそのときまた考える、として。
健闘をお祈りしています。
Rédigé par: はたこ | le vendredi 04 avril 2008 à 22:09
ごうやんさん,
「新人」としてのありようも、だんだん上達してくる今日このごろ(笑)。
いくつになっても、何年働いていようと、新しいところでは謙虚な気持ちで何でも教えてもらいながら取り組まないと、周りにも迷惑だし、自分のためにもなりませんよね。
その辺がよくわかってきたのは、やはり年の甲・・・(笑)。
がぶ飲みワインは気楽な店でした。料理のチョイスは友人によるところも多いので(笑)。
比較的、現職場の近くなのはなおいいな、と思いました。
Rédigé par: はたこ | le vendredi 04 avril 2008 à 22:16