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2007年7月30日

足つけ

 仕事が終わって、三条通を東へ走り出したのは8時頃。東には大きな丸い月。土用の丑の日。暑さはピークの頃と思われるのに、空気は冷たくて、半袖では寒いくらいだ。

 帰りに、蚕ノ社に、足つけに行く。ふだんは怖いくらい静かな境内も、夜店が出てたくさんの人で賑わっている。たぶん下鴨神社の足つけなんかだと、そこそこ観光客もいるのだろうけれど、ここはほとんどジモティー・オンリー。吉祥院天満宮の天神祭と同じくらい。夜店が出るものだから、小中学生もたくさんいて、常連さんに声をかけられそうな雰囲気だ。わたしも5年の間に土着化が進行。Photo

 闇に浮かび上がる三柱鳥居。やっぱり奇妙な鳥居だなあ。5月に来たときは、元糺の池は干上がってまったく水がなかったのだけど・・・。今日はけっこう水があるようだ。本殿にお参りしてから池に来て、靴を脱いで足をつけると、水がとても冷たい。暑い日ならよかったのに・・・。今日の気温では少々冷えるかも。そのせいかあまり長時間つけている人はいないようだ。っていうか足湯じゃないから。

帰りに150円のアイスクリン(ヴァニラ味とメロン味)を食べてみる。正しきお祭り風味に満足する。と、目が釘付けになったのは、「かめすくい 1回500円」。金魚すくいと同じ、すぐ破れる紙の道具で、かめなどすくえるわけもなかろうに(笑)。でも小さなミドリガメがかわいくて、ほしくなる(すくえなくても1匹もらえるのだ)けど、かめを買う道具は何一つ持っていないのでかろうじてやめておく。

 足つけ初心者の得た教訓は、足つけにはゴムぞうりで行くことだ。

 もちろん夕食は鰻。午前中に鮒元でちゃんと調達しておいた。店先では朝から香ばしい匂いを周囲に拡散させて、鰻がどんどんどんどん焼き上がっていて、それが見る間に売れていく。鰻受難の日だ。

 ふんわりと柔らかくておいしいので、わたしはこのお店のがお気に入り。食べ方は、ひつまぶしで。他には、ししとうの中華風焼きびたし(みょうが入り)と、冬瓜の冷製あんかけ。冷やしておけるものも遅番の日に向いている料理。

 *鮒元川魚店

  京都市下京区松原通西洞院東入ル

  TEL 351-2772

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2007年7月28日

盛夏のPF会

 Caosvf3x 夕方、シャワーを浴びて、浴衣を辻褄を合わせて(まさに)着て、PF会に出掛ける。お店は夏野菜のおいしそうな、ベ・レギューム・ア・ターブルだ。きれいな写真とワインについては、いつものようにPICARLEさんと、かもめさんのところでどうぞ。

 最初は、スペイン語が誰も読めなくて銘柄がわからなかったけれど、カヴァをグラスで一杯。「ま、いつものPF会です」(わたし)とか、「仕方ないPF会ですよね」(かもめさん)などと過去の失言をねたにちくちくと師匠をいじめてみるのも食事の前のアミューズか(笑)。でもわたくしはこの会を愛しておりますことよ?

 本物のアミューズは、ブルーチーズとじゃがいものキッシュ。四角く切ったものがお上品にスプーンに乗せられて。Photo_2

 わたしの選んだ前菜は、鹿児島牛の赤ワインマリネ 黒いちじくとルッコラのサラダ添え。師匠はアジのマリネ、かもめさんは真ダコのカルパッチョ。どのお皿も野菜がこんもりと盛られているので、一見どれも同じに見える。枝豆、トマト、グリーントマトなどなどたっぷりの夏野菜。しゃきしゃきしたとうもろこしの甘いこと!お肉は柔らかく、よくマリネされて味が染みておいしい。お肉の洋風ヅケといった趣。お味見させていただいたアジも真ダコもそれぞれに風味や香りが違っておいしい。暑いので、どうしても冷たい前菜を選ぶことになりますね。

 ワインは今日は持ち込みなしなので、お店のをいただく。チョイスはもちろん師匠におまかせ。白は、アルマン・ウルスト リースリング 2005。ラベルを見てちょっとびっくり。これ、2003を飲んでる・・。というのは、はがしたラベル(以前はまめにやっていた)が机の引き出しに入ってるのをたまたま昨日見たから。でもいつ、どこで飲んだのかは覚えていない。

 リースリングについて「オイリー」と呼ばれる表現がよくわかるような、リースリング。たぶんわたしでもブラインドで飲んで品種がわかると思う。先日飲んだシャルル・コーリーのものとはまったく違うような印象。

 ここのスープはほんとにいい。今日のスープは、とうもろこしの冷製スープ エスプレッソの香り。とうもろこしが甘~い!真ん中にキャヴィアの粒みたいに浮かぶのは、エスプレッソのジュレ。甘いスープとほろ苦いエスプレッソがよく合って、ちょっとクリームコーヒーのような風味になっている。Photo_3

 メインは、岩塩でマリネした茶美豚ロースと賀茂ナスのグリエ 甘い実山椒とキャビアドオーベルジーヌのソース。長い名前の料理・・・。ソースは、これたぶん「貧乏人のキャビア」と呼ばれるもので、要するに茄子のペースト。これもやっぱり、グリルした茄子のおいしさが際立つ。夏の食べ物って何でもおいしいなあ・・・。師匠は子羊を、かもめさんは丹波牛を。

 赤は、シャトー・フーガ マルドロール 2003。ボルドーだけど・・・。あまり重々しくなく、軽くなめらかで飲みやすい。暑くなったらあんまり手が伸びないボルドーだけれど、これなら暑いさなかでもおいしく飲める。Photo_4

 デザートは、黒イチジクのクレームブリュレ 紅茶のアイスクリーム。あっさりしたやわやわのアイスクリーム。ぱりんとカラメルを割れば、中はとろ~り濃厚なクリーム・・・。この滑らかさが命。師匠は、桃のコンポートとグラニテ。なかなかよいチョイス。軽いので負担なく召し上がれたのでは?

 食後はエスプレッソヴァニラのマカロン(ラム酒のクリーム)。これが絶品!お肌すべすべの見目麗しい形。マカロンの濃いヴァニラの香りに、バターの香りがすばらしいクリーム。これほどおいしいバタークリームにはあんまり出会わないな。我が国ではバタークリームは不当に迫害されている。

 バゲット バター。下鴨のコルヌ・ド・ガゼルのものを使っているそう。

 PF会なので、続きは新町六角にて。行ってみるとびっくり。カウンターには師匠のお友だちの美人が三人。一旦2階に通されて後で合流。好青年さんとクールビューティーもご来店。賑やかな週末。

 ワインは、ドメーヌ・ジャクソン リュリー ピュセル 2005テタンジェパトリス・リオン クロ プリウール 2004カレラ ライアン 2004ドメーヌ・ラモネ シャサーニュ・モンラッシェ プルミエクリュ クロ サンジャック。カレラ甘い・・・。

 明日もお休みだし、気持ちよく飲んだ。師匠、ワインをごちそうさまでした。楽しいひとときをありがとうございました(^^)。

 *B Legumes a table (ベー レギューム ア ターブル)

  京都市中京区四条油小路上ル3軒目559―7

  TEL 213―5563

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2007年7月27日

ラタトゥイユは南仏の幻

 青い空、ぎらぎらの太陽。今日もいい日になった。アルジェの夏がどんな夏かは知らないが、わたしは京都の夏をこよなく愛する。だから、こんな日にわたしが何をしたとて、それは太陽のせいなのだ。

  Photo_2 遅番なので、いつものように朝から料理。先日来食べたかったラタトゥイユを作る。手間はかからないけれど、こんな、煮込みに1時間もかかるような料理はお休みの日か、遅番の日でないとちょっと無理だな。

 煮込みながら、メールなどをチェックしていると、フランスに移り住んだ池澤夏樹のメルマガ「異国の客」が、配信されていた。タイトルは「ラングドックの語学学校、サルコジ、ソミエール その1」だって。南仏いいなあ・・・。行ったことないなあ・・・。行きたいなあ・・・。

 煮上がったラタトゥイユは、荒熱を取って冷蔵庫に入れて、夜ごはんにスタンバイさせる。

 玉ねぎ、ズッキーニ、赤ピーマン(パプリカと呼ばれているもの)、黄ピーマン(同じく)、トマト。ハーブは何を入れたかな?たしか、タイム、マジョラム、エストラゴン、ディルウィードだったか。ローズマリーを入れようと思ったのだけど、なかったので棚にあるものをテキトーに入れておいた。たくさんできたので、職場のH嬢とT女史に、ワインのお供におすそ分け。Photo_3

 帰りに進々堂で、レトロバゲットを買って帰宅。ルネ・ジョフロワ ブリュット ゼロといっしょに冷たいラタトゥイユを食べる。味付けは塩のみ、野菜の甘みと水分だけで、ここまでうまく味が出るとは・・・。これは我ながら上出来。ひとえに夏の野菜の力か。

 ゼロは、昨日開けたので今日が二日目。昨日はちょっとドライすぎないかなと思ったけれど、今日は果実味とこくが出て、昨日よりもずっといい感じになっていた。

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2007年7月26日

コルノロッソ

 Photo 二日連続夢見が悪い。一昨日は、両目がただれてケロイド状になってつぶれる夢。怖すぎ。昨日は咳が止まらない夢。苦しすぎ。身体関係の夢ってなんだか気持ちが悪い。何かあるのかなあ、と思っても、推し量る材料もなし。

 新しいパソコンになってから初めて使う、Windows Media Playerの使い勝手がもう一つわからない。ダウンロードもできないし、CDに書き込みすらもできないって、わたしはいったい何時代の人?棚からひっぱり出しては来たものの、もう一つしっくり来ない演奏のJe te veuxやPoudre d'orを聞きつつ、機械に翻弄される。

 先日たまたま通りかかって入ってみた新店を記録しておこう。仕事のある日のお昼の外食はしないし、最近はお休みの日も家で食べることが多いから、外でお昼を食べるのが何か新鮮に感じる。

 パスタが食べたくて、ソニドーロに行ったら閉まっていたのでそのまま姉小路を東へ行くと、コルノロッソというトラットリアを見つけた。いつの間にできたのだろう?ちょっと迷ったけれど、入ってみることにした。

 1600円のランチにする。安くはないなあ・・・。

 前菜  ほうぼうのカルパッチョ ムール貝のオーブン焼き 生ハム カポナータ

 パスタ 和牛のミートソースのスパゲティ

 パスタとピッツァ数種類の中から選べるようになっていた。

 自家製パン  オリーブオイル

 前菜もパスタもけっこうおいしかったので、気が向いて、プラス300円のドルチェを頼んでみた。

 カタラーナ

 う~ん。何で凍ってるんだろう?クレマ・カタラーナは凍ってない方がよくありませんか・・。

 アイスコーヒー

 ここはイタリア料理の店だけれど、ギネスが飲めるようだった。ギネス好きとしてはポイント高し。あと、自家製サングリアもあるようで、気がひかれた。また行ってみようかな。

 *コルノ ロッソ

  京都市中京区姉小路通両替町西入ル柿本町408-2

  TEL 221-5570 月休(祝日の場合は翌火休)

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2007年7月24日

まつりとうまいもん

Photo

 「うまいもん」と言えば、祇園のさ々木。残念ながら急遽行けなくなったマダム某のピンチヒッターをかもめさんにお願いし、某O殿と3人で、無事盛夏のさ々木にて、うまいもんを堪能する。

 最初のお酒は、「びっくりぎょうてん」。銘柄を覚えていなかったが、前にいただいておいしかった、白く濁った微発泡の、青いびんの・・・、と言うと、こんな名前のお酒だった。変わった名前だ。

 写真は最初のお料理。蓮の葉に氷が涼しげ。法金剛院の蓮はもう咲いただろうか。でも蓮の葉を見ると、お盆の盛り物を考えるのは習い性(^^;。

 剣先いか・車海老・ほたて貝柱と枝豆のゼリーがけ 

  枝豆の黄緑と穂紫蘇の色、きらきらしたおだしのゼリーの輝きが目に涼しい。舌にひんやり、鼻腔には穂紫蘇の香り。

 ぐじ・白ずいき・冬瓜のお椀  くり貫いたすだち(?)の皮

 季節はずれではあるけれど、とてもよいぐじがあったので・・・という、ぐじはいい塩梅にまろやかに塩が馴染んでいる。くせのある香りの冬瓜がおいしい。やっぱり夏は瓜でしょ(^^)。

 お椀は黒地に細い細い金の線で描かれた花火の模様。ほの暗い明かりの下で見れば、ぼ~っと浮き上がる金の光が、さぞかし美しいだろうと思う。何でもこのお椀、3客で、クラウン1台買えるくらいの値段なのだとか。

 お造り  鳥貝(しょうが醤油)、韓国産の鱧(ちり酢)、蛸(すだち塩)、大とろの握り

 美しい所作で、大将がやっておられた鱧の骨切り。包丁目がすごく細かくて、ふっくら、ふんわりとした白い鱧は、ごつごつしたところがまったくない。すごい技術だなあと思う。今シーズン食べた鱧の中で、一番おいしいと思った。ちなみに今は韓国産が一番のブランドなのだとか。こりこりした蛸も、自分ではけで醤油を塗る、とろける大トロももちろん美味。

 づけまぐろの握り

 これもまた楽しみ。味がほんとにうまい具合に染みるものだ。

 次のお酒は、富山の「立山」。香り涼やかな青竹の器にて。何度か飲んでいるけれど、おいしいお酒だと思う。

 積丹のうに

 割ったまんまを少しの海水と共に。新鮮なこのうには、本当においしい。日本酒とよく合うこと!

 長崎の鮑 肝ソース わさび

 焼き物は大きな鮑。歯ごたえ、香り、肝のこく。わさびには泣かされたけど(笑)。肝ソースはうにと同様、ちびちびとなめながらお酒を飲むのがよいでしょう・・・。

 次のお酒は、山形の俵雪(たわらゆき)。これはちょっと変わったお酒で、かすかなチョコレートやヴァニラの香りがして、しっかりとしたこくがある。3杯目くらいに飲むのにはぴったりだと思う。

 賀茂茄子の冷たい白味噌汁 みじん切りの三つ葉

 きんと冷えた、あくまでもさらっとしたスープ。こういうの、作ってみたい!でも決してできないんだろうなあ・・・。

 ふかひれのステーキ 小芋 ズッキーニ 青菜

 すっぽんのスープで3日間炊いた肉厚のふかひれをフライパンで焼いて、すっぽんのスープのあんをかけたもの。コラーゲン×コラーゲンだ!ふかひれは、肉厚のものがよいのだそう。繊維が太く、しゃきしゃきの小気味よい食感。また、表面の焦げ目の香ばしいこと・・・。思わず至福の笑みを浮かべたその瞬間、大将がニヤリ、と・・・。

 豊後水道で獲れた海の鰻のひつまぶし 5ミリ角の甘酢生姜  水茄子のお漬物

 今日のごはんは白ごはん?と思ったら、ふっくらとした大きなうなぎの蒲焼が登場。それを大将が刻んでひつまぶしに・・・。もともとひつまぶしは大好きな鰻の食べ方・・・。なんておいしいんだろう。もちろんお代わり、断るはずもなし。

 山梨の白桃 マンゴー マンゴーのシャーベット

 今、マンゴーってとっても高いらしい。マンゴーのシャーベットを一口食べて、おおお~!と思わずうなる。強烈にマンゴーそのもの??隣でかもめさんが、「『素材より素材らしく』。杉野英実。」とか言っているのが笑える。いやまさに、素材より素材らしく、だ。

 おいしいものを食べるのにはパワーがいる。でも五感をフルに働かせて味わえば、食べ物の神様からさらに大きなパワーがもらえるのだ。

 食事を終えて、ありがとうを言ってお店を辞したのは9時半頃。今日は還幸祭。八坂神社に御神輿を見に行こう。

 石段下に着くと、ちょうど中御座が帰って来たところ。石段下で迎えてから、境内へと入る。Photo_2

 舞殿前の中御座。この周りを何度も何度も御神輿は回り、差し上げられ、振られ・・・。すごい迫力と熱気で、担ぐ方々から湯気が出ている。最後の最後まで、よく体力が続くものだと、それも驚きである。わたしと同じく、祇園祭の御神輿を初めて見たというO殿は、まさに「ライブのよう」であると言っていた。

 境内を出ると、石段下には東御座が帰って来ていた。しばらくこの、クシイナダヒメの御神輿を拝む。境内に入るのを見届けてから、四条通を西へ進むと、西御座に会った。

 朝のニュースで、東京は浅草の三社祭の行事の一つを、来年から取りやめるというニュースを報じていた。神社が禁止しているにも関わらず、御神輿の乗る人が後を断たないからだそうで、そのような行為は、「心霊を汚す行為」であると、字幕が出ていたが、これは「神霊」の間違いではないだろうか。

 閑話休題。

 祭を見るのにもパワーがいる。でも五感を駆使して、見詰め、感じ、手を打ち、走れば、神霊からさらに大きなパワーがもらえるのだ。力をもって力を制す?いや違う。力をもって力を得るのだ。

そんな祭りが追体験できる好日さんのブログ→http://rakutyuurakugai.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_7626.html

 *祇園 さ々木

  京都市東山区八坂通大和大路東入ル

  TEL 551-5000 日・祝休

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2007年7月23日

実篤の器

 心身共に、少々の不調。職場の寒さのせいと、諸々の考え事のせい。下手の考え休むに似たり。でもそうも割り切れず、もしやプチうつ?

 今日は遅番だったので、いつものように朝、夕食の用意をする。かぼちゃのポタージュを作ろうと、硬いかぼちゃの皮をむいていたところ勢い余って歯がすべり、左手ぎりぎりのところで寸止め。あわや流血大惨事になるところだった。続いてミキサーを洗っていたら手がすべって床が水浸しになった。やれやれ・・・。こんなときは集中力も落ちるようだ。

 9時半に噛み合わせの点検とおそうじに、近所の歯医者へ行く。診察室にショパンが流れているのはいいが、別れのワルツやワルツ34-2といったダウナー系ばっかりだ。陰鬱なメロディーを聞いていると鬱な気分が増大。ただでさえいやな歯医者では、ぜひとも明るいワルツをお願いします。

 そんなこんなで、出勤する頃には仕事も始まっていないのに既にふらふらだ。しかしともあれ忌まわしい夏休み第一週目の6連勤は終わった。慣れない体に連日の2000冊越えはきつかったなあ。明日はお休み。お楽しみもあるし、気も晴れるだろう。

 引越し以来、初めて弟から電話。昨日わたしが仕事に行ってる間に夫婦で家に来たらしい。冷蔵庫のシロップケーキを持って帰ったと父から聞いていたが、そのケーキがいったい何味だったのか?というだけの電話で、なんだかよくわからない。20秒で電話切る。クールなきょうだい。

 「あの二人はほんまに仲がいい」と父が言う。仲よき事は美しき哉・・・。Photo_176 そう言えば・・・。

←クリックで大きく。

 いづれの御時にか、こんな器(たしか色紙もあったような気も)が大変に流行したらしい。裏には「実篤謹製」の印がある。この食器の出所はどこに?今も生産されているのか?

 この器、5個セットで一つも欠けることなく、今も現役。これで冷奴なんてフツーに食べてる我が家は、いったい何時代の家なのか?

 いやいや、これくらいで驚いてはいけない。うちでは祖母が嫁にくるときに持ってきた75年前の鉢がまったく欠けもせず今も現役なのだ。これはかぼちゃのたいたんを入れると大層かわいいので愛用している。

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2007年7月22日

シロップケーキ

 夏休みが始まったとは思えぬ、ぱっとしない空。でも職場の忙しさだけは夏休みである。ゆうべ、夕食後にお菓子を焼いた。疲れているとよけいに作りたくなるのはなんでだ?Photo_174

 このあいだ買ったシリコン型で、変わり映えのしないものばっかり作っているけれど、今回はグレープフルーツのシロップケーキとその姉妹、オレンジのシロップケーキ。果汁のシロップをたっぷり含ませてよく冷やしたケーキを朝ごはんに食べれば、目覚めさわやかかも?・・と思うとどうしても作りたくなって。

 ルセットは、有名な、たかこ@caramel milk teaさんのもの。泡立てた全卵に溶かしバターを入れて作る、アーモンド粉入りの軽いバターケーキ。

 ハンドミキサーを出すのがめんどうだったので、自力で泡立てることにする。体力ないけど全卵4個くらい、まだまだ何とかなるだろう。湯煎にかけつつひたすら泡立て。湯煎のことをフランス語でbain-marie(バンマリー)と言う。「マリーのお風呂」だ。なぜにマリー?変なの。

 マリーのお風呂、めんどう!と、省略してはいけないのである。砂糖を溶かし、卵を泡立ちやすくして、なおかつ卵の生臭みを抜くという効能があるのだ。人間もシャワーばかりでなくちゃんと湯船につからないといけないのである。

 焼き上がったら熱いうちにシロップを含ませて、冷蔵庫へ。

 ゆうべ1個味見して、もうちょっとシロップが多いほうがいいなと思って、コアントローと果汁をさらにたっぷり含ませておいたので、食べるとじゅわ~んと、ひんやりしたシロップが広がる。まずまずの出来。欲を言えば、もう少し香り、かな。

 今日もがんばりましょう。

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2007年7月19日

週始めの宴

 「モンラッシェが飲みた~い!」のお言葉に誘われ、遅番の後にTさんと二人でワインバーへ・・・。ちょこっと飲む?いえいえ、しっかり食べますよ~。

 まずはシャルル・コーリー アルザス ゲヴュルツトラミネール 1993。これでシャルル・コーリーの白、全種類飲んだかも・・・。際立つライチの香り。でも甘すぎずにおいしい。ゲヴュルツトラミネールは香りがよいので、最初の一杯にとてもよいかも。

 今日のキッシュは、仔牛とトマト、グリーンアスパラのキッシュ。グリーンアスパラのしゃきっとした香りと、仔牛の丸い香りがよい。次は、シャサーニュモンラッシェに合わせて出していただいた、今日入ったというムール貝の白ワイン煮。たっぷりのスープには貝の旨みがぎゅっと出ていて美味。パンにたっぷり浸して食べる。貝の身ももちろんふんわりとして旨みたっぷり。ベルギー思い出す。

 Tさんと歌舞伎の話などをしつつ、ラモネ シャサーニュ・モンラッシェ 2004。最初はさわやか系(?)でも時間が経つに従ってバターっぽい香りが出てくるのがやっぱりモンラッシェかな。

 わたしが歌舞伎をよく見ていたのは15歳から30ちょっと過ぎまでの間なので、今ではずいぶんと役者の世代交代が進んで、若い役者とか、あまりわからない。でも目の肥えたTさんの話を聞くと、見に行きたい気がむくむくと・・・。なんせわたしのお気に入りの役者は、先代の仁左衛門だったので、いったいわたしは何時代の人!?という感じなのだ(笑)。

 今日のお店はとても忙しそう。コックコートで一段とシェフらしいFさん、がんばる。

 次もワインに合わせて、鱧のソースアメリケーヌ。淡白な鱧に甲殻類(オマール)のこくのある贅沢なソースがおいしい。Photo_171

 羊のロースト 赤ワインソース 茄子、トマト、甘長。これに合わせてTさんはジンファンデルを飲んでる。ちょっとお味見。う~ん、ちょっと濃くて甘いかな。程よいピンクの仔羊。脂もとろける。

 夏休みが始まる。今週末、いきなり第一のピークが予想される。わたしたちの一週間は始まったばかり。明日からまたがんばろう・・・。

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補足

 昨年の稲荷祭でわたしは、行く先々で、熱心にメモを取る学生さんらしき若い女性に出会った。御神輿に付いて移動しているようだ。論文やレポートのためのフィールドワークなのだろう。たぶん、祇園祭の御神輿についても同様のことをなさっている方もおられるのではないか。

 先日、拙ブログ、「神幸祭」の記事で、好日さんのブログは十分にレファレンスツールとして活用できる(言い換えれば、サイトの信憑性が高い)と書いた。自分のための覚書として、また、祇園祭の御神輿について調べようとされている誰かのために、若干の職業的使命感(老婆心?)を持って、もうひとつリンクを貼っておこうと思う。

 今年の記事と合わせて読むと、さらに詳しい、生きた情報が得られる、

 2006年7月(祇園祭の一ヶ月間)の好日さんのブログの記事。

   http://rakutyuurakugai.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/index.html

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2007年7月17日

神幸祭

 思えば昨年の7月24日、仕事の帰りに四条大宮で、東御座と記された御神輿にたまたま出会ったのが始まりだった。そのことをブログに書いたところ、好日さんのご教示を得て、それがご縁で生まれて初めて今日、祇園祭の神幸祭を見ることができたのだった。

 PICARLEさんと同じく、好日さんはわたしが勝手に(笑)弟子入りしている美術の師匠。ちょっとそのことに興味のある人なら誰でも知っているようなことをおこがましくも語っているようなわたしのブログとは違って、好日さんのブログはすごい。美術や寺社関係だけではなく、中御座の御神輿に携わっておられるということで、特に祇園祭関連の記事はとても詳しくて、十分にレファレンスツールになるくらいに充実している。Photo_166

 そんな好日さんより、貴重な品をお分けいただいた。

 中御座のお札、ちまき、神稲。神稲は、病気のときに煎じて飲むと下熱に大変効果があるそう。お札はすぐに神棚へ。

 

Photo_167 Photo_168みこし弁当」。もともと御神輿の担ぎ手さんたちのためのお弁当らしいが、厄除けになるということで、一般の氏子さんの希望が多いため、2000個ほど作られ、配られるとのこと。詳しくはこちらで。また、この記事で、ほとんど部外者が見ることのできない、古い町会所の中が見られるのは貴重。

氏子でもないのにご好意に甘えていただいたこのお弁当は非常にレア。シンプルなお弁当ながらおいしくて、ふだんご飯はお茶碗に半分くらいしか食べないわたしが、ぺろっとひと包み平らげた。父からは「お前、いつもの3倍は食べてるぞ」の声(笑)。しっかり厄除けができるというもの・・・。

 早めの夕食をみこし弁当でがっつりと済ませ、6時からの「三社揃い踏み」に出掛けた。祇園の石段下は黒山の人だかり。ローソンの前辺りで見るも、前には行けず。しばらく待っていると、南の方から御神輿が続けて石段下に入ってくる。

 スサノヲノミコトの中御座、クシイナダヒメの東御座、ヤハシラミコガミの西御座。御神輿は伏見稲荷の五基の御神輿よりは小さいが、金を基調にしてそれぞれ意匠を凝らした美しいものだ。重さ2トンはあると聞くが、これを全行程、人が担ぐのだからすごいと思う。

 ホイットホイットの掛け声も勇ましく、御神輿を振り、高々と天に差し上げる。その熱気と気迫がびんびんと遠くから見るわたしにも伝わってくる。三基の担ぎ手さんには、もしかするとライバル心みたいなのもあるのかもしれない。それぞれが力を誇示するように、力強い。三基ともしっかりと拝ませていただいた。

 その後、出発した御神輿を追って少し移動。走るのが大嫌いなくせに驚くべきことに走って中御座に追い付いて、縄手を上がったところの休憩地点まで行く。Photo_169

 休憩中の中御座を間近でじっくりと拝見する。細部まで非常に凝った装飾がなされている。いつ頃作られたものなのだろう。

 これから各御神輿は、それぞれの氏子地域を回る長いロードに出るのだ。

 さてわたしは7時からの用事(もう既に遅刻やん^^;)を済ませるために一旦、祭を離れる。

 用事が終わったのは10時前。帰りのバスに乗るも、せっかくなのでと祇園で途中下車。四条寺町の御旅所へ9時過ぎ頃から順に御神輿が入るのだ。途中、西御座が木屋町を南下して行くのに出会い、御旅所に着くと、ちょうど東御座が前で勇壮なパフォーマンスを繰り広げていた。ホイットホイットの掛け声、しゃんしゃん鳴るかね、人々の手拍子や拍手。御神輿は何度も何度も回り、差し上げられ、降ろされ、また担がれ・・・。

 めくるめく様子に陶然とする。このお祭りを見たのは、本当に生まれて初めてのこと。祇園祭のもう一つの顔を見たような気がする。今日の今日まで知らなかったよ・・・。

 中御座はもう、御旅所に納まっている。見られなくて残念だったけれど、負けず劣らずすばらしいパフォーマンスだっただろう。

 祭りの興奮も冷め遣らぬまま、11時ごろに帰宅。最後の西御座が御旅所に納まるのはいったい何時頃になるのだろうか。今まではそう近しい神さまではなかったスサノヲノミコトが、ぐっと近しくなったように感じる。

 よい一日だった。まさに好日。好日さん、本当にありがとうございました。

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山鉾巡行

 巡行の日にうまく公休が当たったので、3年ぶりくらいに巡行を見に行く。平日とはいえ、四条通はけっこうな人出。辻回しをする四条河原町の交差点は黒山の人だかりだ。

 もう一つはっきりしない天候のため、貴重な懸装品が濡れないようにビニールシートをかぶせている山や鉾もある。しかし、どの山鉾も、贅を尽くし、意匠を凝らして美しい。巡行は晴れ舞台。いつもあまり見に行かない(特に理由もないのだが)山も巡行では一同に見られるから、ああ、ここの見送りや、あそこのタペストリーも美しいのだなあ、と新鮮に感じたりする。

 四条河原町(河原町御池などでも)の辻は、小さな山は担いで回る。けれども大きな鉾はさすがに担げないから、「辻回し」をする。

 鉾についている車輪は、自動車のタイヤのようには可動しないから、車輪の下に薄く割った竹を何本も敷く、その上に水を打ってすべりをよくしてから、その上で方向転換をする。上にも屋根にも人は乗ったまま、引き手が紐を引いて斜め方向から引き、だいたい3回くらいで90度に方向転換し、辻を回って行く。

 鉾は、四条河原町の少し手前で止まって、お囃子を演奏しながら、辻回しの準備が整うのを待つ。高まる緊張感・・・。やがて竹が並べられ、水がまかれ、準備が整うと、「えんやらやー」の掛け声も高らかに、鉾は辻に入っていく。この掛け声の晴れやかなこと。思わず笑顔になる。

 鉾が竹の上に乗って、タイミングを計る。緊張。掛け声と共に鉾が斜めに動く。観客のどよめきと拍手。お囃子の調子も早くなる。

 たくさんの人に引かれて大通りを行く山鉾のなんと晴れやかことか。「えんやらやー」の掛け声は、夏の日の空のようだ。わたしも笑顔に、少し涙さえ浮かぶ。やっぱり巡行も、せめて何年かに一度は見ないとだめだ。これには何らかの浄化のうまいシステムがあるような気さえするな。Photo_164

 巡行する船鉾。さきのまつりの最後を飾る23番目。船首のゲキが勇ましい。思わず、「帰って来い・・」と思う、出船の船鉾だ。昨日も書いたことだけれど、最後の最後を飾る、凱旋の船のないことを残念に思う。物語が閉じない。

 以前、新町通の町内に帰って来た船鉾を間近で見たことがあった。そのときに「帰ってきたんだ~」といった、安堵感のようなものを感じたのをよく覚えている。船の帰還というものにはきっと何か特別な思いが湧くものなのだろう。Photo_165

 お昼ごはんに、井傳鱧寿司。鱧祭りだから(笑)。柔らかくて香ばしく、何かと塩梅のよいお味。

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2007年7月16日

二つの船鉾

 職場に、両親に連れられたかわいい浴衣姿の女の子がやってきた。これから祇園祭に連れて行ってもらうのだろうか。小さな帯と肩上げがかわいらしい。子どもの頃、祖母が縫ってくれたじんべさんや浴衣を着せてもらって、宵山に連れて行ってもらったことを思い出す。その頃から今まで、宵山や宵々山に行かなかった年の方が少ないな。一緒に行く人はその時々で変わっても、いつでも楽しかった。非日常のわくわくした気分と、夏の始まりの高揚感・・・。

 退勤時間には雨も止んだので、今日は仕事帰りの散歩がてら宵山に出掛ける。昨日と同じく、明るい間、人の少ない間に。まずは四条堀川の亀屋良長で、白玉かき氷(抹茶ミルク)でスタート。底に柔らかい白玉が5個も入っていて、それがおいしいのだ。さすが和菓子屋さんだけのことはある。米粉のよい香り。

 今日は四条以南を行く。新町通を南下。この通りには船鉾と岩戸山がある。

 でもちょっと注意してみると、船鉾より先に、「大船鉾」が見つけられるはずだ。しかし残念ながらこの鉾は今は休み山になっており、装飾品などが飾られているのと、お囃子が復活しているのみで、鉾は建っていない。

 その昔、船鉾は二基あった。

 一つは現存する船鉾。神功皇后の新羅遠征の説話を題材に作られた鉾だ。こちらの船は「出船」で、行きの船。17日の、先祭(さきのまつり)の巡行の最後を飾った。今もこの鉾が、「くじ取らず」で、23番目に固定されているのもこのためである。ちなみに、この遠征のとき、神功皇后は妊娠中で、帰ってきてから無事出産したとのことで、ご利益は、もう一つの神功皇后をご神体とする占出山と共に、「安産」ということらしい。

 もう一つが大船鉾だ。こちらは帰りの船で、「凱旋船鉾」と呼ばれ、24日の後祭(あとのまつり)の巡行の最後を飾っていた。しかし、元治元年(1864)七月十九日の戦火で、ご神体や装飾品は助かったものの、船型の木組みなどを焼失してしまった。以来、休み山となっている。

 資金や人の面で、完全復興は難しいのかもしれない。でも願わくば復興してほしいと思う。帰って来る凱旋の船が欠けているのはどことなく不吉な気がする。出て行った船は、必ず帰って来なければならないのだ。帰って来なくていいのは、渡海船とかだけやん?二基揃って初めて完結する物語の結末が欠けているような不安な感じもする。

 もう少し下がって、木乃婦の前には、岩戸山。お囃子が聞こえるが、確かにこのお囃子は耳慣れないかも。どれがどこの、とはとても聞き分けられないけれど。

 高辻を東へ、保昌山へ向かう。この山は縁結びのご利益で有名で、お守りもかわいいのが出ている。乙女はこちらへ(笑)。

 不思議なことにこの山は、山鉾分布の最南端・最東端にぽつんと離れてある。これが長年不思議だったのであるが、近年、応仁の乱以前の山鉾の一覧を見て、思い当たった。おそらくは中心部の山鉾密集地と、保昌山のある場所の間の、今は空白となっている地帯にも、もともとはいくつもの山鉾があったのだろう。

 ここでゴール。油小路には今年も行けなかった。この辺りまで行けば、鉾町ながらも、喧騒は遠のき、ぐっと静かになってくる。

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2007年7月15日

法事と祇園祭

 大叔父の一周忌の法要に出席する。昨年の今日の明け方、大叔父は亡くなった。父もわたしも病院に詰め、最期を看取った。もう一周忌なのだ。早いものである。明け方の夢の中、弟(らしき人物)が、「おっちゃん、来たはるで」とわたしに告げた。その人物はその後すぐに、「さあ、わしも帰ろう」と言ったので、たぶん弟に似たほかの人物(おそらくは故人)なのだろう。「おっちゃん来たはるんやったら早く行かな」と思って起き出した。

 11時より法要。大叔父の犬の散歩友だちであったという、浄土宗のお寺の住職は、いつも法要の際に皆にテキストを配る。そしてお経を読み進めるたびに、学校の授業のように、「○ページの開経偈」とかなんとか言うのだ。

 今日の経は、仏説阿弥陀経。指示されたページを開いてスタンバイ。「如~是~我~聞・・」と始まったはよいが、その後は、♩=200くらいの高速仏説阿弥陀経。木魚がビートを熱く刻むぜ!という状態だったので、テキストの文字を必死で追うも、すぐに文字を見失う。 Photo_156

 会食は、筍亭にて。

 正面に、宴会や会食が大好きだった大叔父の陰膳が据えられている。亡き人を偲ぶ気持ちが伝わってきていいものだ。大叔父のところにも頃合を見計らって挨拶に行く。

 久々に会う6歳年上のいとことおしゃべり。

Photo_157

 前菜  あまご、海老、筍の奈良漬け(?)、鱧寿司、枝豆しんじょう、山桃、星型のゼリー

 筍の赤味噌煮と白味噌煮

 お造り 鯛、鱧、鮪  鱧がふんわり柔らかくて美味

 竹なべ湯豆腐 ねぎ おぼろこんぶ

 炊き合わせ 大徳寺麩、冬瓜、海老など

 鮎の塩焼き たで酢  筍のきんぴら  はじかみ生姜

 ぐじと蓮芋のあんかけ おろししょうが

 白身魚のパン粉揚げ 筍(?) ししとう 茄子  塩で

 平目(?)のこぶじめ 野菜巻き

 鱧とじゅんさいのお吸い物

 白飯 香の物(筍山椒煮・柴漬け・塩昆布)

 メロン すいか

 ルイボス茶

 食前に玄米煎餅と煎茶、なぜか食後に誰かが頼んだコーヒー、など。

 夕方帰宅。宵々山に浴衣で行けなかったからと言って、しくしく泣いていても仕方がないので、明るい内に見たい山を見に行くことにする。山鉾を見るなら、人が少なく、明るい昼間に。今年は「人が少ない」は難しそうだが。Photo_158

 見たい山、とは今年は蟷螂山。先月、明治以来流出して行方不明になっていた、隅金具(山の御所車の四隅に取り付ける金具)が見つかったのだ。故、今年が山復活後、初公開。

 「蟷螂山西洋紋章図角金具」と札には書かれている。金具といっしょに展示されている木箱のふたの裏には、「文政十二年己丑六月新調 蟷螂山町」との記述。Photo_159

 蟷螂山はなかなか楽しい山。巡行のときに動くかまきりはもちろん、かまきりが番号を書いた玉を持ってきてくれる、こんなからくりおみくじも・・・。

 そろそろ祇園囃子も聞こえ出した。よく聞けば鉾によって曲が違うが、わたしにはどれがどこの曲なのかはわからない。

 いつものように、長刀鉾でちまきを受け、鯉山に行くもなんと早くも大行列ができていたのであきらめる。「鯉山の お守りさんは これより出ます・・・」といった子どもの歌も、山によって少しづつ違うよう。鯉山の知り合いにメールしてみるも返信なし。

 後は南観音山・・と思って六角通りを西へ。つい魔が差してというわけではなく、なんとなくバーへ行って冷たい白ワインが飲みたくなり、だめ元でちょっと寄ってみる。席はまだ空いていて、案内された席の隣にはなんとA子さんとお友だちのMさんが。お元気そうで何より。

 シャルル・コーリーのリースリングを一杯だけ。アミューズは白いんげんと豚ミンチの煮込み。通りの混雑がひどくならない内に、と名残り惜しくも早々に失礼する。

 南観音山。あ~、ここも大行列だ。通りも既に大混雑が始まっている。今年はだめだなあ。土・日・祝なんて最悪だ。いつも行くところすら行けやしない・・・。

 *筍亭 

  京都市西京区樫原鴨谷50番地

  TEL  391-7191

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2007年7月14日

いざ酔ひ日記

 強い雨が降っている。祇園祭のこの時期に、台風が来るなんて珍しいことだ。帰りの電車で、浴衣の女の子を何人も見たけれど、出かける方々は大変だろう。台風に備えて、山鉾はちょうちんや大切な飾りを外しているらしい。明日の宵々山には天候は回復するだろうか。

 朝、出勤前に歯医者に行く。幸い虫歯になっているというわけでもなく、取れたかぶせを付け直してもらうだけで済んだのでよかった。歯のトラブルはやっかいなものだ。予約なしの飛び込みだったので、長く待たされ、職場に行くのが遅くなってしまって申し訳なかった。今日は朝からひどい雨で、そんなに忙しくもないだろうと思っていたら、そうでもなく、大人も子供も多く、晴れの日とそう変わらない賑わい。

 今日はバイトのMちゃんが出勤していて、受けだの攻めだの、なんのこっちゃな話で盛り上がる。

 「後○羽院が攻め、藤原○家が受け」  「あ、新しい~!」  「石川○木は受けで、金○一京助が攻めやんな~?」  「マ、マニアック~。戦国武将とかはもう出尽くしてるから、文豪とかまで行っちゃうんですよね~」  「この組み合わせで中一のとき思い切り楽しませてもらったけど、その頃はまだ受けだの攻めだのの用語はなかったような気がするけどなあ・・・」  「黎明期だったんですね?」 「ちが~う!なんで黎明期やねん。」

 さあ、どうなの?往年の名作、『私説○国誌』も復刊を遂げたし、古典回帰かしらね。

 夕方、Tさんと一緒にワイングロッサリーでお買い物。夜は二日目のピノ・ブランを飲む。Photo_155

 ピノ・ブランに合わせて選んでもらったチーズ、アルスア・ウジョア。スペインはガリシア地方のチーズだそう。表面はもっちり、中の白い部分はとてもなめらかでクリーミー。味わいもやさしくて、ピノ・ブランのフルーティーな感じにぴったりだった。迷ったら、やはりプロに相談だ。

 昨日はグラス3杯、今日はグラス2杯で酔ってふらふらに・・・。今日など、師匠のなさるように瞑想だ。調子が悪いらしい。わたしの場合、酔うか酔わないかは事前の体調にはまったく関係がなく、飲み始めてみないとわからないというギャンブラーな体質で、困ったものだ。

 明日は嵐の中、法事に出席。

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2007年7月13日

ガラスのコルク

 帰宅後、あわてて料理をしながら片付け物をしていると、勢い余って引っ掛けた右手の中指の爪が、生爪をはぐ勢いでかなり深いところからべりっと折れた。

 わ~~!!やはりわたしには小学生のような長さの爪が似合っているのだ。夕食にパンを食べていると、そのグルテンの引きによって、左奥歯のかぶせが取れた。歯科医が言うには「外れている内はまだ平和」なのだそうだが、またくっつけてもらいに歯医者に行かなくてはならなくなった。なんてことだ、なんて日だ・・・。

 はっ!!今日は13日の金曜日・・。おかしいなあ。神はいないはずなのに。

Photo_154 Photo_151  シャルル・コーリー ピノ・ブラン 2004

 「ガラスのコルク」に引かれて買ったアルザスのワイン。これもジャケ買いの一種(笑)?

 P師は、「別になくてもいいぶどう品種」にピノ・ブランを挙げておられたかも。でもわたしはこのピノ・ブランやピノ・オーセロワが好き。だからなくなっては困る(笑)。アルザスのぶどうはおいしいのだ。

 白い花や柑橘類が香る、そのまま飲んでもおいしいワイン。今日はTさんが本で読んだという方法、抜栓してから最初のほんの少しを捨て(嘘。もったいないので飲んだ)、冷蔵庫で30分置く、という方法をやってみたけど、おいしさの差は比較対象がないのでよくわからず。Photo_153

 鶏肉のマスタードクリームソース。乳脂肪35%のライトクリームで作ったので仕上がりは若干軽め。塩茹でしたブロッコリーにソースをつけて食べてもなかなかおいしく食べられる。他にはリヨネーズポテトなど。

 明日は歯医者に寄ってから出勤。憂鬱だなあ・・・。

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2007年7月12日

いにしへのこひのうた

 Photo_149 フロアに出ると、中学生くらいの女の子から百人一首の本の場所を尋ねられたので、こんな季節に珍しい(今でもやはりかるたはお正月のようで)なと思って、案内しつつ、好きな歌は?と訊いてみた。すると彼女は「つくばねの・・」と言ったのでますますへぇ、と思った。好きな理由は「なんとなく」ということだったけど。

 わたしが通っていた中学校では、毎年冬休み明けに全校行事として百人一首大会があり、また、好きでもあったからたくさん歌を覚えた。百人一首の中にはたくさん恋の歌があるけれど、その当時のわたしにとっては、恋の歌のほとんどはまだ理解の範疇外だったので、同じくらいの年の彼女が「つくばねの・・」を選んだことが意外な気がしたのだった。今でこそわたしも、「つくばねの・・」はとても好きな歌なのだけれど。

 「つくばねの・・」と同じく、川をモチーフにした恋の歌がもう一つある。同じように川をモチーフにしながら、恋の「時」が違う。二つ並べて見ると、恋の時系列?

 みかのはら わきてながるる いづみがは いつみ きとてか こひしかるらむ

 「瓶の原 湧きて(分きて)流るる泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ」。

 舞台は京都の南。瓶の原は、京都と奈良の境の相楽郡加茂町、泉川は木津川。「わきて」には、泉が「湧く」と、川が瓶の原を「分けて」流れる、の二つの意味。「泉」と「いつ見」。「見る」というのはただ単にあの人の顔を見たことがあるとか、ただ会ったことがある、というわけではもちろんなく。 

 泉が湧いて川となり、いずれは瓶の原を分けて流れる大きな川となるように高まる気持ち。いつ逢ったからと言って、こんなにもあなたが恋しいのだろう?まだ逢ってもいないのに・・・。

 修辞は多い。でも、恋の始まりの、徐々に高まっていく気持ちを受け入れつつも、どこかでそういう自分の心の動きをいぶかしんで、不思議なもののように思っている、そんな初々しい気分がよく伝わってきて、切ない気持ちになってしまう歌。恋の始まりには必ず思い出す歌。

 そんな気持ちが高じていくとどうなるか。つくばねの歌になる。

 つくばの よりおつる なのがわ こひぞつもりて ふちとなりぬる

 「筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる」

 「み」と「ね」の押韻が耳に心地よい。舞台は筑波山で、この山は男体山と女体山から成っている。男女川はこの山から流れ出る、桜川。

 筑波山の峰から流れ落ちる男女川のように、水が最初はわずかでも、やがては積もって深い淵となるように、わたしのあなたへの恋心も知らず知らずの内に積もり積もって、深い淵のようになってしまった・・・。

 この歌には、自分の心の深淵を覗き込むような恐ろしさをいつも感じる。深くよどんだ水に誘われ、水底に沈むか、あるいはついにその水が臨界を超えて溢れ出し、すべてをのみこんでしまうのか・・・。いずれにしても、すべてのベクトルが破滅の方へ向かっているような、どこかおどろおどろしい感じ。淵、という場所の持つちょっとした不気味さがそういった想像を喚起させるのだろうか。

 この歌の作者は、陽成院。第57代の天皇で、10歳で即位。しかし精神を病み、17歳で譲位させられる。今日、これを書くに当たって調べて初めてわかったことだが、作者がある種の狂気に悩まされていたということも少しは関係があるのかもしれない。

 この歌にも、知らず知らずの内にこんなにも思いを募らせてしまった自分への驚きと、何でこんなことになってしまったんだろう?、というとまどい、そしてこれまたある種の感慨がある。そんな自分の心に気づいてしまったときから、格段に恋が辛くなるのだ。淵となった思いの行き場はどこに?

 愛し愛され、比翼の鳥、連理の枝。半ば隠居のようなこの身にもこれから先、そんな僥倖があることもあるのだろうかとふと思った。

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2007年7月10日

息子と娘

  Cazi8asw_1 ホテル日航プリンセス京都のメイン・ダイニング、メゾン・ドゥースにて、WG主催のワイン会に参加する。今回は、ムーラン・ナ・ヴァンの作り手、シャトー・デ・ジャック。ゲストは、シャトー・デ・ジャックの醸造長、ギョーム・ド・カステルノーさん。貴族?かどうかはわからないけれど、配られたプロフィールを見ると、フランス軍の将校をしておられて、退役後にワインの仕事に就かれたというちょっとおもしろい経歴の方のよう。

 ものを作っておられる方らしく、ご自分のワインについて、情熱を持って、丁寧にいろいろなお話をしてくださ