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mardi 16 janvier 2007

京都国際マンガミュージアム

 昨年11月にオープンした、京都国際マンガミュージアムに行く。ここは京都市と精華大学が共同で設立し、精華大学が主たる運営母体となっている。建物は龍池小学校をリノヴェーションしたもので、現在、芸術センターになっている明倫小学校と同じく、かつて小学校であった時代の面影を色濃く残す。2階には「龍池歴史記念室」なる一室が設けられ、番組小学校の長い歴史を地域に伝えられるよう工夫されている。教室の中には校歌のBGMも流れる。かつて小学校は地域の誇りであった。龍池の子は幸せだと思う。自分たちの学校がまたこうして生き返ったのだから・・・。わたしの通っていた小学校もやはり閉校となってしまったが、校舎がこのような形で利用されることもなく、学校の資料が集められて展示されるわけでもなく、プールなども荒れたまま・・・。下京の番組小学校として、やはり長い歴史を持つ小学校であったのに、寂しいことである。

 ミュージアムの一番の目玉は、1~3階の、総延長140メートルにも及ぶ「マンガの壁」だろうか。1階には少年マンガ、2階には少女マンガ、3階には青年マンガがずらっと作家名の五十音順で並んでいる。このマンガは、精華大の所蔵のものを一部移管したものかと思っていたのだが、そうではなくて、かつて東京にあった大久保ネギシ書店という貸本屋が所蔵していたものが、閉店にあたって、東京財団を経て、このミュージアムにやってきたものらしい。そのため最新の作品はなく、欠巻もあります、と注意書きがされている。なるほど。貸本屋とは懐かしい。小学生のころ近所の貸本屋にお金を握り締めては毎日のように通ったものだった。そういえば貸本屋を最近はあまり見なくなってしまったようだ。今あってもはやると思うのだが・・・。

 分類のためのラベルなどは貼っていないもののどの本もきれいにブッカーがかけられて(ネギシ書店の丁寧な仕事)、実際に手に取って読めるようになっている。さすがに貸出はしていないが、入館料500円で当日中なら再入場ができるので、その気になれば一日中だって気に入ったマンガを読んでいられるのだ。閲覧席が少ないのが気になったが、これは図書館ではなく、ミュージアムという性質上、いたしかたないことか。

 博物館らしく、そこここにスタッフが立っていたが、盗難などのおそれはないのだろうかと心配になる。今では手に入らない単行本も多いのだ。所蔵作品の検索はできるのかと尋ねてみると、受付で申し出ればしてもらえるとのこと。自分ではできないようだが、それも図書館と博物館の違いかもしれない。

 地下1階の研究展示ギャラリーと、収蔵庫がなかなかおもしろい。ここにはマンガ雑誌が収蔵してあるようだ。集密書架の、ごく一般的な書庫なのだけれど、通路に面した部分がガラス張りになっており、一番手前の書架の雑誌は面出しにしてあって、それが一つの展示ともなっている。懐かしい~。創刊号からの「ASUKA」(角川書店)など、わたしもまだ持っているよ(^^♪。たぶんこれは読むことはできないと思われる(未確認)が、中に入って見てみたい興味深い場所。今仕事で整理している雑誌の創刊号コレクションの中にも何冊かマンガ雑誌があるのでぼちぼち読もうと思っているんだけど。ムフムフ(笑)。

 日本のマンガだけではなく、世界のマンガ事情もわかるような展示もされている。ここで思い起こされるのがブリュッセルにある、「ベルギー漫画センター」である。ベルギーのマンガと言えば、タンタン(^^♪!日本でも翻訳・出版されているタンタンの絵の形式を見てもわかるとおり、フランス語圏のマンガはバンド・デシネ(B.D ベーデー)と呼ばれ、日本のマンガとは少し異なったものであるが、60年ほど前からベルギーはヨーロッパのマンガの中心地となっているらしく、こうした研究機関まであるのだ。ここの図書室は展示室とは別になっており、図書室以外では展示品を手に取って読むことはできないし、展示作品もまた、ベルギーの作品が主なので、タンタン以外は日本人にはなじみがないかもしれない。しかしミュージアムショップには日本の翻訳マンガがたくさん置いてあり、フランス語圏のオタクたちのメッカとなっているようだ。

 タンタン好きにはアドレナリン出まくりの場所だし、建物そのものもヴィクトール・オルタが設計した、アール・ヌーヴォーの美しい建築だし、(龍池小学校の建物もなかなか美しい。特に校長室など)ブリュッセルに行かれる方は一度訪ねられてはどうかと思う。

 ベルギーに少し遅れを取ったかもしれないけれど、この京都国際マンガミュージアムの開館によって、日本のマンガ研究は大きく発展をとげるだろうと思う。ジャンクなものは場合によっては時代を最も映す鏡であるけれども、また散逸しやすいものだ。ジャンクなものとして今まで扱われてきたマンガが、研究・収集・保存されるようになったことは、一マンガ好きとしても、資料の収集・保存に携わる者の端くれとしても大変に喜ばしいことである。

  京都国際マンガミュージアム

   京都市中京区烏丸通御池上ル(元龍池小学校)

    TEL 254-7414(代) 水・年末年始休

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Commentaires

精華大学の学生さん、通り魔の被害にあったでしょ?お気の毒・・・あと風見しんごさんのお嬢さんも青信号を渡っていたのにトラックに轢かれて交通事故死とか。人生って理不尽。あっけない。

ごめんなさい、日記とずれてきて、漫画文化ってやっぱり日本が進んでるんですよね。1日行ってても飽きなさそう。フィギュア文化も凄いし。京都国際マンガミュ-ジアム行ってみたいです。

私は最近携帯電話で読む漫画にもはまっています。

Rédigé par: angel | mercredi 17 janvier 2007 21:49

さすがプロの目で見たレポートですね。
細かい所まで書かれており、また正確にかかれてますね。感心しました。
それと、ベルギーにもマンガセンターがあるのですか。世界的にマンガが認められているのですね。マンガ学というのがどの様なものか知識不足ですが、現在を表す「文化」として今後研究が進む事を願ってます。
今後も、生活地域にできた文化的な施設として見守って行きたいと思います。

Rédigé par: 好日 | mercredi 17 janvier 2007 21:52

angelさん,
そうなんですよ・・・。ほんとに驚きました。職場の近所に住んでおられたようなのでなおさらでした。毎日のように、信じられない理由で人が亡くなる・・・。一寸先は本当に闇なのかもしれません。亡くなられた方のご冥福を祈るばかりです。

日本のマンガは世界のどの国とも違った発展をしましたね。少年まんが、少女まんがと性別・世代別に分かれているのは唯一日本だけのようです。京都にお越しの際にお時間が許せばぜひ覗いてみてください。

わたしのケータイは古くて、挑戦するもうまく読めないんです~。

Rédigé par: はたこ | mercredi 17 janvier 2007 23:28

好日さん,
TBありがとうございました。たくさん興味深いところはあったのですが、見学会でもないとやはり個人で行くのではなかなか奥までは入れないし、聞きたいこともなかなか聞けないものでした(^^;。

ブリュッセルのまんがセンターはなかなか人気のある施設のようでした。まんが(バンド・デシネ)はベルギーでもフランスでも固定的な人気のあるジャンルのようですが、日本のストーリーまんが(劇画)とはまた違うものですね。
ヨーロッパで翻訳された日本のまんがは、左右逆になっていますよ(^^)。

Rédigé par: はたこ | mercredi 17 janvier 2007 23:38

なかなか仕事のしがいがあるレファレンスがあってよかったですね。しかし古書店の寄贈とはいえ、BSE、管理コードなどの措置はなく完全に利用者の倫理にゆだねている由、不安です。私は全巻読みたい本があるのですが、今度行ったときにあるかどうか…。ああいうものはある程度、性悪説に立って収蔵しなくては意味がなくなります。マナーに最初から頼るのは現代甘すぎると思うのです。それにしてもサイトのバック模様といい、腕を上げたものですね。凄いです。

Rédigé par: べるの | lundi 22 janvier 2007 23:41

べるのさん,
資料の管理面は確認をしたわけではないので実際のところわからないのです。
図書館という施設は、基本性善説に基づいて運営をしているわけですが、昨今の状況をかんがみると憂うべき状況が続いていますね。

Rédigé par: はたこ | mardi 23 janvier 2007 23:35

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Notifié: mercredi 17 janvier 2007 21:55

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