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samedi 13 janvier 2007

教皇の新しい城は妖しい城

 本年の記念すべき食べ初めは、ベルクールにてのPF会。ジビエが食べた~い!と年末から叫んでいたのが形になった。言霊信仰(笑)。食事は8時始まり。PICARLEさんは名前のとおり実はフランス人なのかも。

 おいしそうな写真はPICARLEさんかもめさんのところで。

 まずはかもめさんご提供の、ドメーヌ・ヴィルマール・キュヴェ・クレアシオン 1997で乾杯!松の内は過ぎたけれど、新年にはきっちりごあいさつ。「本年もご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。」

 クリュッグと同じくらいおいしいのではないかと思ったクール・ド・キュヴェ1998以来、ヴィルマールはかなりときめくシャンパーニュで、しかも今日のは飲んだことのないキュヴェ。透明なボトルに美しいステンドグラスのエチケットが張ってあり、とてもアーティスティックだ。ふっくらした香りに優しい甘味。クール・ド・キュヴェ1997には酸味を強く感じたのだけれど、これは1997ながら、クール・ド・キュヴェ1998のような優しく丸い甘味がある。香りが広がって、飲み込むときにふっと鼻に抜けるクリーミーな樽の香り・・・。それに取り付かれてしまったので何度も何度も繰り返していたら、当然すぐグラスは空に(笑)。

 鱒の燻製と卵 ブリニ添え

 ほんのりまだ温かいブリニの上にはこんもりクレーム・ドゥーブルを盛って、その上にはきれいなオレンジ色の鱒をかぶせて宝石のような卵がたっぷり散らしてある。ブリニの香りがとてもよい。サワークリームより酸味が少なく、もっとクリーミーなクレームドゥーブルがブリニ、鱒、卵を柔らかくまとめておいしい。きっちり塩のきいたドレッシングをまとったグリーンサラダ添え。

 グラスで白を一杯。ジョスメイヤー アルザス リースリング。ちょっと変わった形のグラスで。アルザスのグラスかな?香りの第一印象は「化学的な油」(笑)。でもこれは言ってはいけない・・・と思っていると、となりでかもめさんが「オイリー」。やっぱりそう?師匠によると、これがリースリングに特徴的な「エステル香」と言われるものなのだそう。リースリングは何度か飲んでいるけれど、ここまで強力にこの香りを感じたのは初めて。また一つ頭の中に香りの図鑑ができた。

 シラサエビ・牡蠣・鯛 バジルバターソース

 エビは今まで生きていたものだそう。お皿が運ばれてきたとたん、エビの香りとバターの香りが広がる。エビは甘くて、足やしっぽはかりかりで香ばしい。バジルの香りは強すぎず、とても調和がとれている。塩も温度(これもけっこう大事だと思う)もジャスト。

 本日のメインのワインは、PICARLEさんのシャトー・ド・ボー・カステル シャトー・ヌフ・デュ・パップ 1973。「教皇の新しい城」というおもしろい名前のワインは名前だけは知っていても、経験浅く、まだ飲んだことはない。しかもヴィンテージは1973年、かなりの古酒である。エチケットにも年月が感じられる。

 色は濃い。おりも多い。見た感じだけでも濃そうな印象。香りは?・・・・・・。・・・・・・・。よい香りかと言えばそれはビミョー。むしろ、ワインを飲み慣れていない人なら、くさいとかおかしいとか言うかも。非常に動物的な、汗とか体臭とか・・・(笑)。またこんなん言えへんな。と困惑していると、隣りでかもめさんが「漬物」。そうそう確かにそういう香りもある。わたしがたまに白ワインに感じる「きゅうりの古漬け」ではなくてたくわん。読んだ人はすごい味を想像するかもしれないけれどそんなことはない。とにかく濃密なワインである。発酵食品の奥深さに通ずるものがあるような、また、人の体臭がよい匂いに感じられるようなちょっとHな感じ。でもこの強烈な個性が、ジビエやチーズと絶妙なマリアージュを見せた。

 ペルドロー(山うずら)のパイ包み焼き ポルト酒のソース

 固まりをテーブルでシェフが切り分けてサービスしてくださる。中にはころんとトリュフ。これもまた香りがとてもよい。ジビエらしい野趣ある香りのしっかりした肉にレバーのこくと香り、トリュフの香り。どれもがワインと呼応して増幅されてすごい力を感じる。

 猪のロースト キノコノソース ポレンタ添え

 お皿から立ち登るきのこの香り。ポレンタという食材もあって、イタリアンなテイスト。このきのこの土っぽい香りがワインにもある土の香とよく合う。そして旨みのある猪。強い料理にはやはり強いワインなのだと思った。本当によく合う。

 チーズ  ミモレット オッソーイラティ クロタン サントモール ブルードーベルニュ エポワス

 プラトーから選んで切り分けてもらう。どのチーズもとても状態がよさそうだし、実際にどれもすばらしいおいしさ。シェフによると、「温度」であるということで、冷蔵庫から出したてではどのチーズもおいしくはない、とのこと。

 チーズのときには再び最初のヴィルマールを。時間が経ってさらに樽香が前面に出てきてますます好みに・・・。

 ミモレットの凝縮された旨み、クロタンの膨らむ旨み(熟成が進んで固くしまってきているので口の中で膨らみますとのシェフの言葉どおり)、蝋のような独特の香り。・・・とこれもあんまり言えないかもしれないけれど、悪い意味ではない。良い香りとか悪い香りとかいう判断は別として、香りの成分や要素はさまざまなのだ。どれもとてもおいしい。

 中でもシャトー・ヌフ・デュ・パップと凄いマリアージュを見せたのは、エポワスである。とろとろのウオッシュの香りは強い。毒をもって毒を制す、というのはとても表現が悪いが、そういう感じでもある。いや、「制す」のではなく、昇華させるというのがぴったりくる。大変な奥深さを感じた。

 店内に入った瞬間気がついたのは、サービス用のテーブルに置かれたガレット・デ・ロワと紙の王冠。エピファニーに食べるアーモンドクリームとフィユタージュのお菓子だ。ピティヴィエとの違いはわたしにはわからない。

 デセールはこのガレット・デ・ロワ。丸いのを切り分けてお皿に乗せてくれるけど、フェーヴはもう出たんだって(^^)。わたしたちは最後のお客だったから。

 お皿には、フランボワーズのソルベ クレーム・カラメル エスプレッソ風味のガトー・ショコラ ヴァニラグラス添え 

 ガトー・ショコラは苦味が効いてねっとりと、生チョコを食べているよう。エスプレッソの香りが香ばしい。クレーム・カラメルはしっかり固めでカラメルの甘苦さがよい。ガレット・デ・ロワってこんなにおいしかったっけ?と一口食べて驚いた。バターの香り、こく、しっかりした甘味・・・。絶品!!

 コーヒー

 バゲット バター リエット(これがまたパンとワインが進む味)

 いろいろな意味でがつんと来た、すばらしく濃い~食事。とても貴重な体験だと思う。PICARLEさん、かもめさん、シェフ、ありがとうございましたm(__)m。

 そしてワインバーへ・・・。こちらでは皆さんとおしゃべり中心。初めてお目にかかる方もおられて、楽しくお話をさせていただいた。

 最初はグラスで白ワイン、シャトー・ラモット・ブスコー 2004。今は何を飲んでもあっさり感じそう(笑)。でもなぜかどんどんボトルが開いて・・・、テタンジェ、ラモネのブルゴーニュ・ルージュ、イタリアのブローリオなどを少しづつ。師匠、ありがとうございます。

 帰宅は午前4時過ぎ。そのわりには頭痛も胃もたれもなく今朝は9時前に、いつもよりさわやかな目覚め。わたしって丈夫(笑)?

 新年に際し、皆様方の健康をお祈りいたします。細く長く、90歳になってもおいしいワインと食事が楽しめるように、日々節制の鬼とならんことを。

 *ベルクール

  京都市左京区田中里ノ前町59

  TEL 711-7648 月休

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Commentaires

はや!
僕はこれからボチボチと写真の整理に入るとこだけど、暗いせいで、ちょっとイマイチかなあ。

ボーカステルは非常に興味深く、良い状態だったねえ。
ちゃんとわかる人に飲んでもらって、よかったよかった。

Rédigé par: PICARLE | dimanche 14 janvier 2007 15:41

PICARLEさん,
はや!って、師匠らしからぬ突込み(笑)。
福家工務店と呼んでください。

ボーカステルはほんとに興味深いワインでした。自分の感覚のキャパを確認できたような感じです。いい経験をさせていただきました。深謝ですm(__)m。

Rédigé par: はたこ | dimanche 14 janvier 2007 21:21

こんばんは。

いつものことながら感心いたします。
何でそんなに文字だけで再現できるんですかっっ!
素晴らしい。

こちらは仕事が遅くて申し訳ございませぬ。
まるで役所だ(笑)

Rédigé par: かもめ | dimanche 14 janvier 2007 23:16

かもめさん,
東京との並行作業なのでたいへんでしょう。
おほめいただきありがとうございます。反芻しながら書いておりますよ(笑)。

昨日はおおきにでしたm(__)m。

Rédigé par: はたこ | dimanche 14 janvier 2007 23:40

いいなあ~ ベルクール。
ここのリエット食べたいですっ。

かなり長いこと食べていません(>_<)

それにしても タフです。 はたこさんもかもめさんも。。。 

Rédigé par: sanko | lundi 15 janvier 2007 20:48

さんこさん,
つい食べすぎる魔のリエットですね。
この日はなぜか絶好調だったんですよ。大食いのくせにいつもはすぐ胃もたれしがちなのに。

Rédigé par: はたこ | lundi 15 janvier 2007 22:28

やっと完成しましたが、写真が想像以上にひどいことになってました。
やはりライト要持参(笑)のお店です☆

Rédigé par: かもめ | samedi 20 janvier 2007 18:51

かもめさん,
おお、これでリンクも完成いたしました。
写真、確かに少し暗めですが、まあ、やたらと白っぽいレストランもなんだかなあ・・・なのでよろしいかと存じます。

Rédigé par: はたこ | samedi 20 janvier 2007 22:05

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