仕事関係某氏に、某嬢と共に食事に連れて行っていただく。今回の主賓は某嬢で、わたしはお相伴に預かる。ありがたや~~m(__)m。
場所は、ホテルグランヴィア京都15階の、ラ・フルールである。「欧風料理」となっているが、フランス料理の店のようだ。このホテルには多くのレストランがあるけれど、ここがメイン・ダイニングなのだろう。
店内はそんなに広くはない。威圧感のない柔らかい雰囲気のインテリアだ。京都タワーの真正面のテーブルに案内される。店の奥にはデザートワゴンが見えて目が釘付けに。苺のミルフィーユと氷菓を入れておく銀の壺(?)。期待感が高まる。
サービスの係はほとんどが制服を着た若い女性である。アキバでないのでメイドではない。ホテルのフロントの人みたいな制服だ。席についてしばらくすると、今日のコースについて説明があり、苦手な食材なども尋ねられる。魚料理はオマールだということで、海老(正確にはザリガニの仲間だけれど)が苦手な某嬢は代わりの料理を所望する。肉の焼加減も聞かれ、某嬢はミディアム、あと二人はレアで。
ワインは某嬢のお好みを聞いて、某氏がサービスの人と相談の上選んでくれる。飲みやすい白ワイン、プイイー・フュイッセである。シャトー・フュイッセ 2002と書いてあった。
しばらくして、銀の入れ物に入れた生きたオマール海老を見せに来られる。大きな爪がおいしそう。なんかすごいなあと思う。
アミューズ3種
夏野菜のゼリー寄せ 大葉のソルベ添え 中に海老の身が少し。大葉のソルベがさわやか。
リコッタのオレンジソース かりかりのガーリックトースト
まぐろのたたき カルパッチョ風
フォアグラの冷製テリーヌ とうもろこし シブレット いちじくチップ いちじくのソース 別皿にとうもろこしのブランマンジェとかりかりのライ麦パンのスライス
脂の濃厚な風味がおいしい。いちじくのソースはジャムのように香りがよい。とうもろこしと合わせてあるのは、それを食べて育ったから??
ブランマンジェはとうもろこしの香りが強くてとても甘い。好みでフォアグラをパンに付けて、ということだったので、ブランマンジェもいっしょにつけて食べてみる。フォアグラには甘いものが合うようだ。
あなごのグリル 水なす ビーツの葉
皮の方から焼いたあなごは、半生で身に透明感がある。絶妙な火通り。あなごには塩が振ってあり、シンプルなおいしさである。
水なすは生で、塩味でオリーブオイルがかけてある。オイルのフルーティーな香りと混ざって、まるで果物のような甘くてしゃくしゃくのおいしい茄子だ。
オマールのロースト 塩味を効かせた貝のソース 酸味を効かせたトマトのソース トマト きのこ(種類はわからず)
大きな爪の身が、ぷりぷりとしていて、とても甘い。脂があまり使われていないようで、あっさりしたソースなのだが、旨みはたっぷりあってとてもおいしかった。
海老が苦手な某嬢の料理は、アカムツのグリエ(ポアレだったかも??)赤ぶどうのソース 根セロリのピュレ添えになった。おいしかったそうだ。
お口直しの玉露
氷ではなく、お口直しは、客席で入れてくれる温かい玉露である。茶葉は松田桃香園という宇治の茶舗のものだそうだ。深い緑のつやつやとした茶葉で、香りも高い。耐熱ガラスの急須で、同じくガラスの小さなお茶碗でサーブされる。玉露にしては苦味も強いお茶だった。このめずらしいサービスは、おそらくここだけです、とのこと。京都らしさを出しているのだなあと思う。
特選和牛フィレ肉の網焼き トリュフのソース スライストリュフ じゃがいも オクラ 万願寺とうがらし 小玉ねぎ
お皿に銀のカバーをしてテーブルに運ばれてくる。クラシカルだなあと思う。一斉にカバーが取られると、強いトリュフの香り。肉はとても柔らかく、焼き目が香ばしい。丸ごと焼かれた付け合せの玉ねぎはとても甘くなっている。
ワゴンデセール
奥に見えたワゴンが来る!と思ったら来なかったのが寂しい。メニューが配られ、そこから好きなものを好きなだけ選ぶようになっている。せっかくワゴンなのだから、見て選びたかったなあ。
ローズマリーとアプリコットのソルベ アプリコット色がきれいなソルベで、目の覚めるようなローズマリーの香り
ココナッツとパッションフルーツのソルベ 白いソルベ。ココナッツの風味が強く、ほのかにパッションフルーツの酸味
クローバー蜂蜜のムースケーキ ムースの中にアーモンドとグレープフルーツのピールが入っている。『はちみつとクローバー』を思い浮かべてこれを選ぶ。
いちごのミルフィーユ マキシムの「ナポレオン」のようにしっかり組み立ててあるのをカットしてサーブされる。我ながら季節はずれのチョイスであった・・・。
某氏はミルフィーユにバニラのアイスクリームを。某嬢はオレンジ風味のクレームブリュレ バニラアイスクリーム添えとパイナップルのコンポートをチョイス。アイスクリームはうっとりするほど甘くて濃厚。クレームブリュレもおいしい。コンポートは味見せず。
コーヒー エスプレッソという選択肢はなく、ドリップコーヒーか、紅茶
お茶菓子3種
マシュマロ 星口金で絞り出した薄いピンクのマシュマロ。一見メレンゲに見えた。
抹茶の小さなマドレーヌ 小さくても抹茶の香りは強い。小豆入りで少しおまんじゅうのような感じの味になっている。
りんご(?)の甘煮のチョコレートがけ オレンジかグレープフルーツのピールかと思ったら、たぶんりんご。シナモンがほんのりと香って。おいしい。
パン 軽いフランスパン(チャバッタのような感じの) ひまわりの種入りパン
温めて出される。ひまわりの種は味と香りが強い。フランスパンがおいしい。
エシレバター
へぎで作られたバケツのようなエシレバターのパッケージに入れられた5キログラムの固まりを持ってきて、客席でお皿に取り分けてくれる。テーブルに皿が置かれるとふわ~っと発酵バターの香りが立ち上る。こんなサーブの仕方は初めて見たのでとても驚いた。バターがいいので予定量を上回ってパンを食べる。
食材を聞いただけでも高いコースなのだとわかる。斬新ということはないが、きっちりとした手堅いおいしさという印象。どの料理もはずれがなくおいしかった。あなごやオマールの火の通し具合いがすばらしい。バターのサービスには驚いたし、口直しの玉露のアイデアもおもしろかった。デザートはどれも濃厚で甘さもしっかりしている。しかしアイスクリームやソルベに比べると、ケーキはわりと普通かな、という印象だたけれど、他のはどうだったのだろう?
ホテルのメインダイニングは自分ではまず来ないところ。とてもおいしくて高価なお食事を、ごちそうさまでした。某氏、本当にありがとうございました。
「カイショもないのに口ばっかり肥えたらあかん!」と父が怒っている。まったくそのとおりだと思う。
食後はバーに行こうとするも満席のため、センチュリーホテルに場所を移す。メインバー エセックスへ。3人とも夏のオリジナルカクテルを頼んだので、妙にトロピカルなテーブルになる。某氏の注文にいたっては、パイナップルの皮の器がどど~んと(笑)。中身はカットしたパイナップルとその上にフローズンカクテル、子供の頃に病院で出たくすんだピンクの風邪薬風味。一番素直な味なのは某嬢の頼んだオレンジ色のマンゴー味のカクテル。わたしのは楽園という名の青緑のフローズンカクテルで、グリーンバナナというリキュールベース。ラムネ味。
カウンターの端の席に、常連と思しき墨染めの衣姿の尼さんが独りいて、不思議な感じがした。
よく食べ、よく話した数時間だった。某氏・某嬢、ありがとうございました。検討委員会がんばります・・・・・(涙)。
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